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 中学や高校から長期の海外留学をする場合、その選択一つでその後の人生が大きく違ってきます。
留学先を選択するにあたって、様々な条件、そして留学生本人やご両親様のお考え、ご希望等があります。ここでは学校選択をするうえでのポイントを一つ一つ考えてみたいと思います。

国や地域

 皆さんの留学先として考えられる国は英語圏だけでも、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、アイルランドなどがあげられます。また、それぞれの国の中でも各地域・各都市によって気候や風土は異なります。
 特にアメリカやカナダ、オーストラリアなどは日本の20数倍以上の国土を持ちますから、どの州に留学するのか、都会なのか郊外なのか、あるいは田舎にするのか、その地域ごとに様々な特色があります。

●教育制度

 各国の教育制度も留学先を選択する上でとても重要な要素です。
 例えば、アメリカやカナダは日本と同じように高校を卒業するまで普通科ですが、イギリスなどは高校1年生レベルまでが普通科で、その学年末に統一試験を受けて、その結果次第で次の教育課程が決まります。
 オーストラリアやニュージーランドも同じような制度がありますので、イギリス系の国に留学を考えている場合は1年学年下に転入したり、高校1年生よりも前に留学をスタートさせる方がいます。

●学校形態

 日本と同じように海外にも様々な学校の形態があります。たとえば、私立と公立、また共学・男子校・女子校など。そして、マンモス校もあれば100人弱の小規模校もあります。宗教色の強い学校もあれば、大学進学に力を入れている学校もあります。スポーツが強い学校もあれば、音楽や美術に力を入れている学校もあります。
 留学できる学校の形態は国によっても異なります。例えば、正規留学の場合、アメリカやイギリスは私立校のみです。(*公立校に進学できる場合もあります) カナダやオーストラリア、アイルランドは私立も公立も可能です。ニュージーランドはほとんどの留学生が公立校へ進学します。

●滞在方法

 一般的に私立校は寮滞在、公立校はホームステイ滞在となります。
 しかし、私立校のなかには学生寮がないために、留学生はホームステイをする場合もあります。
 学生寮とホームステイのどちらが良いかはそれぞれ様々な意見がありますので何とも言えません。留学生自身の性格によっても、最初はホストファミリーが親切にサポートしてくれる方が良いのか、または寮で同じような年代の学生と過ごすのが良いのか異なります。

●留学期間

 正規留学の場合、留学生は希望に応じて、1学期間だけ留学することも、日本の学校を1年間休学して(あるいは留学許可をもらって)留学することも、あるいは卒業まで留学することもできます。

●留学開始時期

 各学期の開始時期は国や学校によっても異なりますが、通常はどの学期からでも入学することが可能です。
日本の学年は3月で終了しますので、その後、オーストラリア、ニュージーランドの2学期目(4月)に入る方もいますし、4月(または5月)から8月まで語学研修をしたあとで、8月末〜9月からアメリカやカナダ、イギリス、アイルランドの学校へ進学する方もいます。

●学期制

 アメリカやカナダは8月末から新学期が始まる2学期制というのが一般的ですが、学校によっては3学期制、4学期制のところもあります。
 イギリスやアイルランドは9月からが新学期の3学期制、オーストラリアやニュージーランドは1月下旬末〜2月初旬からが新学期の4学期制となっています。

●英語力

 海外の学校に進学するのですから当然授業はすべて英語で行われますが、普通の日本人中学生・高校生が英語での授業にいきなり付いていくことはとても難しいですから、通常はESLと呼ばれる英語補習コースのある学校へ進学するか、または語学学校等で英語力を付けてから進学することになります。
 ただし、語学学校というのは比較的高い年齢層の方が勉強していますので、長期間語学学校で学ぶというよりも、ESLのある中学や高校へ進学する前に数週間から数ヶ月間通う方が多いです。また、ESLのある学校でも、初心者レベルの方を対象にしたコースを持つ学校と中級〜上級レベルの英語力がある方しか受け入れない学校があります。学校によってはESLを何クラスか取りながら普通の科目も取れるところもあれば、ESLでみっちりと英語の勉強をして一定レベル以上の英語力が付いてから普通の科目を取り始める学校もあります。

●過去の成績

 海外の学校へ出願する際に入学試験はなく、すべて書類選考となりますので、留学希望者は出願申請書と一緒に、過去2〜3年間の成績、日本の学校の先生からの推薦状、英語テストの結果などを提出します。(※一部の学校では書類選考後に電話でのインタビューが必要です。)そのため、日本の学校での成績はとても重要になってきます。

●大学進学率
 
 海外の高校卒業後にそのままその国で、あるいは別の国で大学進学(留学)を目指すのであれば、やはり留学先高校の大学進学率は気になるところです。また、進学率だけでなく、どのような大学へ進学する方が多いかという点もチェックポイントの一つです。
 一般的には、そのまま大学進学を考える場合、行きたい大学になるべく近い地域の、大学進学率の高い高校へ留学する方が情報も得やすいですし、その地域にも慣れることができます。
 
●留学費用

 中学や高校時代から留学する方が増え、留学への敷居が低くなったとは言え、留学するための費用は安いものではありません。また、成績や英語力のように自分が頑張れば何とかなるものでもなく、限られた予算の中で最良の教育を受けようというように考えて留学先を選びます。
 授業料が安いから悪い学校ということではありませんが、一般的には高い授業料の学校の方が設備は良いと言えます。また、国によっても、私立か公立かによっても授業料は全く異なります。例えば、アメリカやイギリスの私立校の年間授業料・滞在費(学生寮)が350〜450万円ぐらいかかるところもあれば、ニュージーランドの公立校などは年間の授業料・滞在費(ホームステイ)で160-180万円程度です。
 留学先を選ぶ際には、ぎりぎりの予算で考えるのではなく、ある程度余裕を持った資金計画を立てて選択しなければなりません。


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